病院で患者が亡くなった際、エンゼルケアが施されます。病院によっては、看護師は死後の処置のみ行って、病院の提携業者がエンゼルケアに含まれる保清やメイクなどのケアを施すこともあるようですが、一般的には看護師が一連のエンゼルケアを施すようです。病院ごとに決められた方法でエンゼルケアを施すことになりますが、看護師は遺体を傷つけないこと、患者の尊厳や遺族の気持ちを配慮した対応も求められるでしょう。遺族からの希望があれば、看護師が遺族と一緒にエンゼルケアを施すこともあります。
看護師のなかには、まだ気持ちの整理がつかない遺族に対して、死後の処置をする(エンゼルケアを始める)ことを言い出せないこともあるようです。まずは、病室から退出して、家族だけの時間をつくれるように配慮しましょう。遺族の心の準備が整ってから、エンゼルケアを施す旨を伝えることも大切です。また、その際には、「今からお送りする準備をさせていただいてもよろしいでしょうか?」といったように伝えるとよいです。「死後の処置」といった言葉は避けるようにしましょう。
エンゼルケアを施す際、メイクの必要性について知っておくとよいです。まず、メイクには、乾燥を防ぐ目的があります。皮膚の乾燥も死後の変化で起こる現象の一つです。なるべく、死後直ぐの状態を保つために、皮膚に保湿をすることも必要になります。次に、死後蒼白く変化する顔に色味を加えて、生前に近い状態に近づけるといった目的もあります。遺族の中には、男性にメイクを施すことに抵抗感のある方もいますが、女性だけではなく、男性にも必要なケアと覚えておきましょう。<エンゼルケアに関するサイト:『エンゼルケアを紐解く』>