故人の死後、死化粧や死後処置を行う職務をエンゼルケアと呼びます。故人を人生の最期にふさわしい姿にしてあげるために、故人の容姿の変化を目立たないようにケアする仕事です。またエンゼルケアで故人の体を綺麗にすると、遺族や他の入院患者への病気微生物の感染を防げます。そのためエンゼルケアは故人が亡くなった場所で行われるのです。故人が病院で亡くなった場合は看護師や医師など医療関係者がエンゼルケアを行いますが、介護施設で亡くなった場合は介護関係者がエンゼルケアを行います。
もしも故人が自宅で亡くなったのであれば、家族でエンゼルケアをしてあげることもできるのです。エンゼルケアは医療行為に該当していません。しかし化粧をしたり容姿を整えたりすることはできても、感染症予防のための体の消毒や医療器材を外すなどの対応は家族だけでは難しいでしょう。家族でエンゼルケアを行いたい場合には、葬儀業者や訪問看護師など遺体処置の専門知識を持った人にエンゼルケアを依頼するのがおすすめです。
日本ではエンゼルケアの仕事に対する教育が行われていないため、エンゼルケアの仕事を行うのは看護師や介護士が多いです。詳しい遺体処置や遺族ケアの知識を得るために、民間資格である遺体感染管理士の資格を取得する看護師や介護士もいます。病院や介護施設でエンゼルケアが行われる場合は、医療関係者や介護関係者に確認すると、資格を持っていない遺族もエンゼルケアに参加が可能です。